第13章 ヒトの体の調節

腎臓と肝臓
─ 体内環境を整える臓器

体内の細胞が正常にはたらくためには、体液の組成が一定に保たれている必要があります。
この「体内環境の安定」を支えているのが、腎臓と肝臓です。
腎臓は血液をろ過する「浄水場」、肝臓はさまざまな化学反応を行う「化学工場」として、休むことなくはたらいています。

1腎臓の構造 ─ 「浄水場」の内部をのぞく

腎臓は、そらまめ型をした臓器で、腰の高さの背中側に左右1つずつあります。 体の大きさの割にはコンパクトですが(体重の約1/200)、心臓から送り出される血液の約1/4〜1/3が腎臓を流れています。 それだけ、血液をろ過するはたらきが重要だということです。

腎臓の断面を見ると、外側から皮質髄質腎ううの3つの部分に分けられます。 腎うう(腎盂)に集められた尿は、輸尿管を通って膀胱に送られます。

腎単位(ネフロン) ─ 尿をつくる基本単位

腎臓には腎単位ネフロン)と呼ばれる構造が多数あります(ヒトの場合、1個の腎臓に約100万個)。 ネフロンが尿をつくる基本単位です。

ネフロンは、腎小体(マルピーギ小体)とそれに続く細尿管(腎細管)からできています。 腎小体は皮質に存在し、細尿管は髄質と皮質の間を複雑に走っています。

腎小体はさらに、糸球体ボーマンのうに分けられます。

  • 糸球体:毛細血管が球状にからまった構造。血液がここでろ過される
  • ボーマンのう:糸球体を包む袋状の構造。ろ過された液(原尿)を受け取る
ポイント:腎臓の構造の階層

腎臓 → 腎単位(ネフロン)が約100万個

ネフロン = 腎小体 + 細尿管

腎小体 = 糸球体(毛細血管の球)+ ボーマンのう(包む袋)

2ろ過と再吸収 ─ 「こして、必要なものを取り戻す」

ろ過 ─ 糸球体からボーマンのうへ

糸球体では、入るほうの血管(輸入細動脈)より出るほうの血管(輸出細動脈)が細いため、大きな圧力がかかります。 この圧力によって、血液中の血しょうとそれに溶けている低分子成分(グルコース、アミノ酸、無機塩類、尿素、水など)がボーマンのうにこし出されます。 一方、血球やタンパク質のような大きな分子はこし出されません。

こし出された液体を原尿といいます。 成人では、1日に約170Lもの原尿がつくられています。

再吸収 ─ 細尿管で必要な物質を回収

170Lもの原尿がそのまま尿として排出されたら、体はすぐに脱水状態になってしまいます。 実際には、原尿の大部分は細尿管(腎細管)と集合管再吸収されます。

  • グルコース:100%再吸収される(尿中に出ない)
  • :約99%が再吸収される(1日の尿量は約1.5L)
  • 無機塩類(Na+など):大部分が再吸収される
  • 尿素:あまり再吸収されない(効率的に排出される)

細尿管での再吸収には能動輸送(エネルギーを消費する物質の輸送)が行われています。 そのため、細尿管の細胞では盛んに呼吸が行われ、能動輸送に必要なATPがつくられています。

グルコースは100%再吸収されるのに尿素はされないのか
グルコースは体にとって重要なエネルギー源であり、失うわけにはいかない
細尿管にはグルコースを能動輸送で回収する専用の輸送体がある
一方、尿素はタンパク質代謝で生じた老廃物であり、体外に排出すべき物質
尿素は積極的に再吸収されず、尿中に濃縮されて排出される
発展:バソプレシンによる水分量の調節 生物

体内の水分が不足して血液が濃くなると、脳下垂体後葉からバソプレシン(抗利尿ホルモン)が分泌されます。バソプレシンは腎臓の集合管に作用して水の再吸収を促進し、尿量を減少させます。逆に水分が過剰な場合はバソプレシンの分泌が抑えられ、尿量が増加します。集合管の細胞膜にはアクアポリン(水チャネル)があり、バソプレシンの作用でアクアポリンの数が増えることで水の再吸収が促進されます。

3濃縮率とイヌリン計算 ─ 腎臓のはたらきを数字で読む

濃縮率とは

ある物質が尿中でどれだけ濃縮されたかを示す指標が濃縮率です。

濃縮率 = 尿中の濃度 ÷ 血しょう中の濃度

  • 濃縮率 = 0 → その物質は尿中に存在しない(全量再吸収された。例:グルコース)
  • 濃縮率が高い → 効率的に排出されている(例:尿素の濃縮率は約67倍)
成分血しょう中の濃度(%)尿中の濃度(%)濃縮率(倍)
タンパク質7.200(ろ過されない)
グルコース0.100(全量再吸収)
無機塩類0.91.5約1.7
尿素0.032.0約67

イヌリンを使った計算 ─ 原尿量を求める

イヌリンは、糸球体でろ過された後、細尿管で再吸収も追加排出もされない物質です。 この性質を利用すると、原尿量(糸球体でこし出された血しょうの量)を計算で求めることができます。

イヌリンは再吸収されないため、ろ過された量がそのまま尿中に排出されます。 したがって、次の関係が成り立ちます。

原尿中のイヌリン量 = 尿中のイヌリン量
つまり、(血しょう中のイヌリン濃度)×(原尿量)=(尿中のイヌリン濃度)×(尿量)

これを変形すると、
原尿量 =(尿中のイヌリン濃度 ÷ 血しょう中のイヌリン濃度)× 尿量 = 濃縮率 × 尿量

ポイント:イヌリン計算の手順
  1. イヌリンの濃縮率を求める:尿中のイヌリン濃度 ÷ 血しょう中のイヌリン濃度
  2. 原尿量を求める:濃縮率 × 尿量
  3. 再吸収量を求める:原尿量 − 尿量
  4. 特定の物質の再吸収量:(血しょう中の濃度 × 原尿量)−(尿中の濃度 × 尿量)
発展:クリアランス(清掃率) 生物

クリアランスとは、1分間にどれだけの量の血しょうから、ある物質が完全に除去されたかを示す値です。計算式は次のとおりです。

クリアランス C(mL/分)=(尿中の濃度 U × 1分間の尿量 V)÷ 血しょう中の濃度 P

イヌリンのように再吸収も追加排出もされない物質のクリアランスは、糸球体ろ過量(GFR)そのものを表します。ある物質のクリアランスがイヌリンより小さければその物質は細尿管で再吸収されており、大きければ追加排出されていると判断できます。

4肝臓のはたらき ─ 人体最大の「化学工場」

肝臓は、成人で1kg以上もある人体最大の内臓です。 多数の肝小葉からできており、心臓から送り出される血液の約1/4が肝臓に流れ込みます。 小腸で吸収された栄養分は、肝門脈を経由してまず肝臓に入ります。 肝臓はこれらの栄養分を加工・貯蔵し、有害物質を無毒化する「化学工場」です。

肝臓のおもなはたらき

はたらき内容
グリコーゲンの合成と分解グルコースからグリコーゲンを合成して貯蔵する。血糖が不足するとグリコーゲンを分解してグルコースを血液中に放出する
尿素の合成アミノ酸の分解で生じた有毒なアンモニア(NH3)を、毒性の低い尿素に変える(オルニチン回路)
胆汁の生成胆汁をつくり、胆のうに蓄える。胆汁は脂肪を乳化してリパーゼのはたらきを助ける。胆汁色素(ビリルビン)は古い赤血球のヘモグロビン分解産物
解毒作用アルコールや薬物などの有害物質を、化学反応(酸化・還元・分解など)によって無毒化する
血漿タンパク質の合成アルブミンやフィブリノーゲンなどの血漿タンパク質を合成する
体温の保持盛んな化学反応によって多量の熱を発生し、体温の維持に貢献する

尿素の合成 ─ オルニチン回路

タンパク質やアミノ酸が分解されると、窒素を含む老廃物としてアンモニア(NH3)が生じます。 アンモニアは細胞にとってきわめて有毒な物質です。 肝臓では、このアンモニアをオルニチン回路(尿素回路)という代謝経路で、毒性の低い尿素に変換します。

反応式をまとめると次のようになります(実際にはATPを消費する複雑な経路です)。

2NH3 + CO2 + H2O → CO(NH2)2(尿素)+ 2H2O

生じた尿素は血液によって腎臓に運ばれ、ろ過・濃縮されて尿中に排出されます。 つまり、アンモニアの無毒化は肝臓が、尿素の排出は腎臓が担当しています。

アンモニアをそのまま排出せず、わざわざ尿素に変えるのか
アンモニアはきわめて毒性が高い(少量でも神経系に害を及ぼす)
水中に暮らす魚類はアンモニアを大量の水で薄めて排出できるが、陸上の哺乳類はそうはいかない
そこで哺乳類は、ATPを使って毒性の低い尿素に変換してから排出する
エネルギーコストはかかるが、少ない水で安全に窒素老廃物を排出できる

胆汁のはたらき

胆汁は肝臓でつくられ、胆のうに蓄えられてから十二指腸に分泌されます。 胆汁には消化酵素は含まれていませんが、脂肪を細かい粒にする乳化作用があり、リパーゼ(脂肪を分解する消化酵素)のはたらきを助けます。

胆汁に含まれる胆汁色素(ヒトではビリルビン)は、古い赤血球が脾臓などで破壊されるときに生じるヘモグロビンの分解産物です。

ポイント:肝臓と腎臓の連携
  • 肝臓:アンモニア → 尿素に変換(オルニチン回路)、胆汁の生成、グリコーゲンの貯蔵と分解、解毒、血漿タンパク質の合成
  • 腎臓:血液をろ過して尿素などの老廃物を排出、水分量・塩類濃度の調節
  • アンモニアの無毒化(肝臓)→ 尿素の排出(腎臓)という連携プレーで体内環境を維持する

5この章を俯瞰する ─ 腎臓と肝臓が支える恒常性

腎臓と肝臓は、体内環境の恒常性(ホメオスタシス)を維持するための中心的な臓器です。 肝臓が栄養分の加工・貯蔵と有害物質の無毒化を行い、腎臓が血液をろ過して老廃物を排出し、水分量や塩類濃度を調節します。 この2つの臓器は、自律神経系やホルモンによる調節を受けながら、体内のさまざまな物質の濃度を一定に保っています。

この章と他の章のつながり

他の章へのつながりマップ

  • 恒常性と体液 → 腎臓と肝臓は体液の組成を一定に保ち、恒常性(ホメオスタシス)の維持に不可欠な臓器。
  • ホルモンと自律神経 → バソプレシン(水の再吸収促進)、鉱質コルチコイド(Naの再吸収促進)、インスリン・グルカゴン(肝臓でのグリコーゲン合成・分解の調節)がはたらく。
  • 代謝(呼吸) → 細尿管での能動輸送にはATPが必要。細尿管の細胞は盛んに呼吸を行っている。
  • タンパク質と酵素 → 肝臓での代謝反応は酵素によって触媒される。血漿タンパク質(アルブミン等)の合成も肝臓の重要なはたらき。

6まとめ

  • 腎臓:血液をろ過して老廃物を排出し、水分量・塩類濃度を調節する臓器
  • ネフロン(腎単位):腎小体(糸球体+ボーマンのう)+ 細尿管。尿をつくる基本単位
  • ろ過:糸球体で血しょうの低分子成分がボーマンのうにこし出され、原尿となる(1日約170L)
  • 再吸収:細尿管・集合管で、グルコース(100%)、水(約99%)、無機塩類の大部分が回収される
  • 濃縮率= 尿中の濃度 ÷ 血しょう中の濃度。イヌリンの濃縮率から原尿量を計算できる
  • 肝臓:グリコーゲンの貯蔵と分解、尿素の合成(オルニチン回路)、胆汁の生成、解毒、血漿タンパク質の合成
  • 尿素の合成:肝臓でアンモニアを毒性の低い尿素に変え、腎臓から排出する連携プレー

7確認テスト

この節で学んだ基本事項を確認しましょう。

Q1

ネフロン(腎単位)の構造を、「糸球体」「ボーマンのう」「細尿管」の語を用いて説明せよ。

▶ クリックして解答を表示
解答

ネフロンは腎小体と細尿管からなる。腎小体は毛細血管が球状にからまった糸球体と、それを包むボーマンのうで構成される。糸球体でろ過された原尿はボーマンのうに入り、続く細尿管で必要な物質が再吸収される。

Q2

グルコースの濃縮率が0になる理由を述べよ。

▶ クリックして解答を表示
解答

グルコースは糸球体でろ過されて原尿中に出るが、細尿管で能動輸送により100%再吸収されるため、尿中の濃度は0になり、濃縮率も0となる。

Q3

肝臓でアンモニアが尿素に変換される意義を、アンモニアの性質をふまえて述べよ。

▶ クリックして解答を表示
解答

アンモニアはきわめて毒性が高く、血液中に蓄積すると神経系に害を及ぼす。肝臓のオルニチン回路でアンモニアを毒性の低い尿素に変換することで、安全に腎臓から排出できるようになる。

Q4

肝臓のはたらきを4つ挙げ、それぞれ簡潔に説明せよ。

▶ クリックして解答を表示
解答

①グリコーゲンの合成・分解:グルコースをグリコーゲンとして貯蔵し、必要時に分解して血糖を維持する。②尿素の合成:アンモニアをオルニチン回路で尿素に変える。③胆汁の生成:脂肪の乳化を助ける胆汁をつくる。④解毒:アルコールや薬物などの有害物質を化学反応で無毒化する。

8入試問題演習

この節で学んだ内容を、入試形式の問題で確認しましょう。基礎(A)から発展(C)まで段階的に取り組んでみてください。

A 基礎レベル

13-2-1A 基礎知識穴埋め

次の文中の空欄( ア )〜( カ )に入る適切な語句を答えよ。

腎臓の尿をつくる基本単位を( ア )といい、( イ )と細尿管からなる。( イ )は、毛細血管が球状にからまった( ウ )と、それを包む( エ )で構成される。( ウ )で血しょうがこし出されてできた液を( オ )という。( オ )のうち、グルコースや水の大部分は細尿管で( カ )される。

▶ クリックして解答・解説を表示
解答

ア:ネフロン(腎単位) イ:腎小体(マルピーギ小体) ウ:糸球体 エ:ボーマンのう オ:原尿 カ:再吸収

解説

腎臓の構造の基本を確認する問題です。ネフロン(腎単位)= 腎小体 + 細尿管、腎小体 = 糸球体 + ボーマンのう、という階層構造を正確に覚えましょう。原尿は糸球体でろ過された液体で、タンパク質や血球は含みません。

B 標準レベル

13-2-2B 標準計算

ある人にイヌリンを静脈注射し、一定時間後に血しょうと尿の成分を分析したところ、次の結果が得られた。

成分血しょう中の濃度(mg/mL)尿中の濃度(mg/mL)
グルコース1.00
尿素0.320.0
イヌリン0.560.0

なお、5分間に採取した尿量は6.0 mLであった。イヌリンは糸球体でろ過された後、細尿管で再吸収も追加排出もされない物質である。

(1) イヌリンの濃縮率を求めよ。

(2) 5分間にろ過された原尿量を求めよ。

(3) 5分間に再吸収されたグルコースの量(mg)を求めよ。

(4) 5分間に再吸収された水の量は、ろ過された量の約何%か。小数第1位を四捨五入して整数で答えよ。

▶ クリックして解答・解説を表示
解答

(1) 120倍

(2) 720 mL

(3) 720 mg

(4) 99%

解説

(1) イヌリンの濃縮率 = 尿中の濃度 ÷ 血しょう中の濃度 = 60.0 ÷ 0.5 = 120(倍)

(2) イヌリンは再吸収・追加排出されないので、原尿量 = 濃縮率 × 尿量 = 120 × 6.0 = 720 mL

(3) グルコースは全量再吸収されるので、再吸収量 = 原尿中のグルコース量 = 血しょう中の濃度 × 原尿量 = 1.0 mg/mL × 720 mL = 720 mg

(4) 再吸収された水の量 = 原尿量 − 尿量 = 720 − 6.0 = 714 mL。再吸収率 = 714 ÷ 720 × 100 ≒ 99%

13-2-3B 標準論述

(1) 肝臓でアンモニアが尿素に変換される過程の名称を答えよ。また、この反応を化学反応式で示せ。

(2) 胆汁は消化酵素を含まないが、消化を助けるはたらきがある。そのはたらきを50字以内で述べよ。

▶ クリックして解答・解説を表示
解答

(1) オルニチン回路(尿素回路)。2NH3 + CO2 + H2O → CO(NH2)2 + 2H2O

(2) 胆汁は脂肪を乳化して細かい粒にすることで、脂肪分解酵素であるリパーゼの作用を受けやすくする。(45字)

解説

(1) オルニチン回路は、アンモニアがオルニチンと結合してシトルリンになり、さらにアンモニアと結合してアルギニンになり、アルギナーゼの作用で尿素を放出してオルニチンに戻る回路状の代謝経路です。反応にはATPが必要です。

(2) 胆汁自体は消化酵素ではありませんが、脂肪の乳化(大きな脂肪の塊を細かい粒にすること)によって脂肪の表面積を増やし、リパーゼが作用しやすくします。胆汁は肝臓でつくられ、胆のうに蓄えられてから十二指腸に分泌されます。

採点ポイント((2) 4点満点の場合)
  • 脂肪の乳化に言及(2点)
  • リパーゼの作用を助けることに言及(2点)

C 発展レベル

13-2-4C 発展計算論述

ある人にイヌリンを静脈注射し、一定時間後に血しょうと尿を分析した。以下のデータを用いて各問に答えよ。

成分血しょう中の濃度(mg/mL)尿中の濃度(mg/mL)
尿素0.318.0
イヌリン0.112.0
クレアチニン0.010.75

5分間に採取した尿量は5.5 mLであった。

(1) 5分間にろ過された原尿量を求めよ。

(2) 5分間に再吸収された尿素の量は、ろ過された尿素の量の約何%か。小数第1位を四捨五入して整数で答えよ。

(3) クレアチニンのクリアランス(mL/分)を求めよ。ただし、クリアランス C は C = U × V ÷ P で計算する(U:尿中濃度、V:1分間の尿量、P:血しょう中濃度)。

(4) (3)の結果から、クレアチニンは細尿管で再吸収されているか、追加排出されているか。理由とともに答えよ。

▶ クリックして解答・解説を表示
解答

(1) 660 mL

(2) 50%

(3) 82.5 mL/分

(4) 再吸収されている。クレアチニンのクリアランス(82.5 mL/分)がイヌリンのクリアランス(132 mL/分)より小さいので、クレアチニンは細尿管で一部が再吸収されている。

解説

(1) イヌリンの濃縮率 = 12.0 ÷ 0.1 = 120(倍)。原尿量 = 120 × 5.5 = 660 mL

(2) ろ過された尿素の量 = 0.3 × 660 = 198 mg。排出された尿素の量 = 18.0 × 5.5 = 99 mg。再吸収された量 = 198 − 99 = 99 mg。再吸収率 = 99 ÷ 198 × 100 = 50%

(3) 1分間の尿量 V = 5.5 ÷ 5 = 1.1 mL/分。クレアチニンのクリアランス C = 0.75 × 1.1 ÷ 0.01 = 82.5 mL/分

(4) イヌリンのクリアランス = 12.0 × 1.1 ÷ 0.1 = 132 mL/分。クレアチニンのクリアランス(82.5 mL/分)はイヌリンのクリアランス(132 mL/分)より小さいです。イヌリンは再吸収も追加排出もされないので、そのクリアランスは糸球体ろ過量を表します。クレアチニンのクリアランスがそれより小さいということは、ろ過されたクレアチニンの一部が細尿管で再吸収されていることを意味します。

採点ポイント((4) 4点満点の場合)
  • イヌリンのクリアランスとの大小比較に言及(2点)
  • クリアランスが小さい→再吸収と正しく判断(2点)